この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
いじっぱりなシークレットムーン
第8章 Blue Moon
暗い空間にあたしの泣き声が響く。
子供のように泣いた。
朱羽のワイシャツをびしょ濡れにするほど、めちゃくちゃに泣いた。
「うわあああああ、わあああああんっ」
永遠があるのなら、このひとだ。
あたしの永遠だ――。
・
・
・
・
「朱羽……あのね」
泣き止んだ頃、あたしは朱羽に言った。
「もしかして、事故の時……ふたりを突き飛ばしたかもしれない」
沈黙が流れる。
「なんでそう思うの?」
「あの時、憎悪が……過ぎったの」
すると朱羽は微笑んで、あたしの頭を撫でて言った。
「それはひとを幻惑する満月せいだ。その時にあなたは満月に魅入られてしまったんだ。それは……幻だよ」
「……そう…だね。あとね……なんで結城の仲間が精神をおかしくしたのかがわからない。結城の証言が勝ったのは、五人が精神患ったからもあると思うの」
「……それも満月のせい。満月は精神に作用する。あなたに不埒なことをした輩なんだから、満月が……妖しい力で成敗したんだ。いいんじゃない、不思議なことがあっても」
「そっか……」
朱羽の温もりに、あたしは静かに目を閉じた。