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いじっぱりなシークレットムーン
第8章 Blue Moon
 


 ***


 午後三時をすぎたところで、朱羽が打ち合わせのために病室から出て行った。何度も七時を念を押される。


 午後五時に衣里が帰ってくる。

 六時ちょっと前に、専務がやってきた。

「お前も支度あるだろう、な? 赤カバ」

 皆の前でぶん殴ってやのたい心地を抑える。

 結城が帰ってきていないけれど、今日は早めにあがらせて貰うことにした。

 ちょっと身体が火照ってふらつくけれど、こんなの序の口だ。

 正面玄関を出た時、スマホが鳴った。

 結城からのLINEだ。

『香月を信じろ。大丈夫、お前は綺麗だから』

 心配してくれていたのだろう。

 目の奥が熱くなった。

『明日は土曜だ。美味しいおやつを持って三時に病室に来い。うまく言っておいてやるから。あ、一番いいのは、香月じゃなくて俺に寄越せよ(笑)』


 ありがとう、結城。

 本当にいつもありがとう。



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