この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
いじっぱりなシークレットムーン
第3章 Full Moon
 


「嫌だわ、うける~」


 お腹を抱えるようにして、衣里が弾かれたように笑い出した。

 まさか酔っているのか、ボトル三本程度で。


「や~だ。鹿沼の相手を結城だと思ったんだ~、冗談にきまってるじゃないですか、鹿沼も結城も私と同じ、悲しい独り身。独り身同期で~す」


 そういえば今日衣里、あたしに彼氏がいるように言ってたんだっけ。

 だけどなんだろう、このわざとらしい言い方。衣里はそんな演じたような言い方したことがなかったのに。

 それになに、にやにやして課長と結城を見ているんだろう?


「え?」

 反応したのは、課長だった。

 いつもクールにきまっていたそのお姿が、ちょっと崩れた気がする。


「でも、結城さんと昨日……」

「え?」

「電話……、早く帰ったのも……」


 あたしは少し考えこみ、そして逆に驚いて聞き返した。

「は? まさかあたしが急に帰ったのは、結城からの電話でデートするためだと思ったとか? あたしそこまで仕事に無責任じゃないですから」

「え……」

 この顔は、本気で結城と付き合っていると思っていたようだ。

 いや、そんなにあたしを見つめても、違うものは違いますから。


「嫌だな~、今の今までそんな風に思ってたんですか?」

 あたしが困ったように笑っている横で、課長がどこかほっとしたような表情を見せた瞬間、唇を引き結んでいた結城が一歩前に出て、課長の耳元でなにか囁いた。

 そしてにやりと笑って顔を引き戻すと同時に、課長の顔が強ばり翳った。


「そういうことなんで」


 あたしの腰にさりげなく手を回した結城は、そのままあたしを引き寄せ、悪戯っ子のような笑みを見せた。
 
/1291ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ