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いじっぱりなシークレットムーン
第8章 Blue Moon
「ちょっとだけ、昔のこと話していい?」
頭を優しく撫でながら尋ねてくる朱羽。
あたしは朱羽の肩に頭を凭れさせたまま、頷いた。
ゆったりとしたスローテンポで奏でられるもの悲しげなジャズ。
まるで誰かがチークダンスでも踊りそうな雰囲気の中、朱羽は手だけを伸ばすと、またマティーニを口に含んだ。
暗いBARの中、真上から垂れる落ち着いた色合いの照明が朱羽のもつカクテルグラスに反射して、星が散ったように幻想的に思えた。
朱羽の横顔がとても綺麗で、まるで星の王子様だなんて考えたあたしは、朱羽に凭れながら、ひとり声を立てずに笑う。
「俺ね……」
微かに酒気を帯びた吐息まじりの声は、朱羽自身が漂わせる匂いに混ざりとても甘く、あたしの身体の中の女の部分を刺激する。
「父親は知らないし、母親がちょっと男に目がなくてね。俺……昔から大人にも子供にもいい目で見られてきたことがなかったんだ」
朱羽の心の吐露。
朱羽はセレブに生まれて、セレブに育っていたと思っていたあたしは、軽く驚いた。
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月の周期は29.5日。二週間では次が巡ってきません。
書いておきながら、こんな大事なところに今になるまで全く気づかないでいた大ボケのあんぽんたんを、どうぞお許し下さい。
訂正が難しい部分がありますので、このお話ではブルームーンは、二週間後にして下さいm(_ _)m
ご指摘下さった方、また気づいていたのに温かい目でお見守り下さった方、気づかなくてもなにか変だなと思われていた方、なにも気づかなかった方、ご覧下さっているすべての方々に、申し訳ございませんでした。
奏多