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いじっぱりなシークレットムーン
第8章 Blue Moon
「え……?」
あたしの首に、なにかが下がっている。
朱羽の身体が離れ、それを指で掬うようにしてよく見てみると、銀色の三日月の横に大きめのダイヤが5つもついている……ペンダントトップのネックレス。
「うん。似合うよ」
端麗な顔は本当に満足そうで。……幸せそうで。
「え、なに?」
「あなたに俺の想いが届いたら、なにかプレゼントしたかったんだ。本当は指輪にしたかったけれど、最初からは重いかなと思って」
「ちょっと待って。これプラチナとダイヤだよね? こんな高価なもの……」
「いいんだよ、いつでもあなたを繋いでいたいという独占欲の象徴だから」
「でも、今日は朱羽の誕生日なのに、あたしが貰ったら……」
「俺があげたかったの。素直に貰うのも、俺の誕生日プレゼントだよ」
「……わかった。ありがとう」
「どういたしまして」
うう……。
このひとの笑顔に、胸が苦しいほどきゅんとしてしまう。
眩しいほどくらくらするのは、この照明のせいだけではないはずだ。
「陽菜、好きだよ」
「……っ」
「夜通し伝えるから。あなたの身体全体で感じて」
「うん。……朱羽も感じてね。それと多分満月のせいじゃなくても、すごくあたしの身体も感じやすくなってると思う。だけど今夜は……やめないでね」
「………」
「………」
「……ああ、くそっ。結局俺の負けかよ」
朱羽は手伸ばして、マティーニを呷り、あたしは火照りを抑えたいためにブルームーンを口にする。