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いじっぱりなシークレットムーン
第9章 Lovely Moon
寝室が近づく度にドキドキが止らない。
あたしこれから、朱羽に抱かれるんだ。
この身体の疼きを、この心の渇望を、朱羽に癒やして貰えるんだ。
朱羽がふかふかな布団を剥ぐと、真っ白なシーツが敷かれていたダブルベッドの真ん中にあたしを座らせ、朱羽はその向かい側に座った。
朱羽は真剣な顔をして、言った。
「これからあなたのすべてを貰うよ、本当にいい?」
なんて生真面目なんだろう。
最後の一線を越えていないだけで、凄いことをしてきたのに。
「いいよ、あたしの心ごと貰ってくれる?」
「ああ。俺のすべてはあなたにあげるから」
そう笑うと朱羽は片手をネクタイにかけた。
少しだけ気怠げに伏し目がちにして、顔を傾けながら顎を上げると、片手でネクタイをしゅるりと音をたてて取った。
魅惑的な男の仕草に思わず見惚れていると、朱羽は片手でボタンを外しながら、少し照れたような顔をして、あたしの額を指で小突いた。
「こら、見てない」
そして朱羽は膝立ちをしながらあたしの背に手を伸ばすと、チャックを下げた。
裸は過去に何回も見られているのにあたしもなにか照れながら、まとめ髪を解いてワンピースを脱いでいると、その間に朱羽は上半身が裸になっていて、下着姿になったあたしを抱きしめた。
彼の熱い素肌が、あたしにさらなる熱を移す。
それだけで身体がじんじんと疼いてくるのは、満月のせいだけじゃない。
彼の胸にあてたあたしの手のひらが、少し早い彼の鼓動を伝える。
「すごい、ドクドク言ってる」
「そりゃあ、好きで仕方がない女を抱けると思ったら」
朱羽が少し身体を離して、あたしのブラを持ち上げるようにしたけれど、困った顔をして言った。
「陽菜、あなたの心臓の音が聞こえない。これ、可愛いくてあなたに似合っているけど、だけど……取りたい」
甘えっ子のようにあたしに囁き、あたしがうんと言っていないのに背中のホックがパチンと外れて、あたしの手からブラが抜き取られる。
思わず胸を隠した手を朱羽に奪われ、彼の両手があたしの両乳房を包み込むようにして置かれた。
「あなたもドキドキしてる。緊張してる?」
「……そりゃあ、好きで仕方がない男に抱かれると思ったら」
真似をすると、朱羽が綻んだように笑った。