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いじっぱりなシークレットムーン
第10章 Funky Moon
そして朱羽はふと考えて専務に聞く。
「渉さん、シークレットムーンの株はどんな配分ですか?」
「え……。月代さんが20%、俺が10%、あとは逃げたシークレットムーンの専務と常務が5%ずつ、あとは忍月の副社長が20%、取締役が5%,ふたりの常務が3%、後は「待って……」」
衣里が考え込んで、そして口を開いた。
「社長が20%、専務が10%で30%、副社長も20%で取締役5%常務ふたりで6%で31%。ほぼ均衡ってこと?」
「ああ」
「だったら逃げたうちの重役捕まえて40%プラスαで、半数はいけるってこと!?」
「真下、なんのことだ?」
「もうこの筋肉馬鹿! 株主総会よ、臨時株主総会! うちは取締役会がないはずだから、株主総会で過半数を超えたら社長に議決されるわ」
「え、でも忍月が黙っちゃ……」
あたしに専務は笑う。
「そりゃあ、うちの系列の会社のトップは忍月が決定するのが慣習とは言っても、シークレットムーンは株式会社で、ちゃんと会社法に則った定款がある。仮に裁判津沙汰になっても、そこに定められたものに従うことが優先されるだろう。そうか、株主を動かすのはいいかもな」
「陽菜、うちの重役を働かしにいこう」
「え?」
「専務はうちの役員じゃないから、臨時総会に株主を招集出来ないし、課長が招集出来ないでしょう。脅すなりなんなりしてでも、奴らの名前で全株主を招集させる!」
専務が腕組をして言う。
「招集するには期間が定められていたはずだぞ? 一週間前とか二週間前とか、書面で告知しないといけないはず。二週間なら日程的にきついな」
「会社の定款……、確か俺、課長のタブレットにリンクさせてたっす!」
木島くんが思い出したようにタブレットをもって来て、うちの会社についての頁のところにリンクされたアドレスをタップした。
「いやね、初めて営業する奴が、うちはどういう会社なのかと聞かれたらなんて答えたらいいのかわからないという声が上がってたから、定款スキャンしてPDFファイルにしてリンクしてたっす!」
「偉い、木島くん!! だけど多分、営業には関係ない」
「えええ!?」
「あははは。木島、俺達が関係あるんだから、いいんだよ」
「うう、結城課長……」