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いじっぱりなシークレットムーン
第10章 Funky Moon

「陽菜、言って? 俺のこと好き? ブルームーンの時みたいに、俺のこと、好きって言って?」
「……」
「……陽菜、もう俺のこと嫌いになっちゃった?」
あたしは慌てて頭を横に振って、朱羽の目を見つめながら言った。
「……好き」
朱羽から仕掛けられた唇が、重なっては離れる。
「朱羽が、好きっ」
ちゅっ。
良い子とでも言うかのように、唇を啄まれる。
「俺の方が好きだよ、陽菜」
ちゅっ。
「あたしの方がっ」
ちゅっ。
「……俺を捨てて、あいつの元に行かないで」
ちゅっ。
「愛してる――」
キスが深くなった。
「んん……っ」
「ん……もっと舌……んっ……」
何度も頭を撫でられ、もみくちゃにされながら、激しくあたしの口内を攻める朱羽の舌が、彼の想いの熱さをあたしに注ぐ。
ああ、朱羽が好き。
好きなの。
朱羽があたしを必要としてくれている――。
束の間の孤独感は、朱羽に癒やされ、満たされて。
あたし達は何度も何度も、狭い空間の中で抱き合いながら、キスを交わした。
久しぶりの朱羽とのキスは、……あたしの涙の味がした。

