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いじっぱりなシークレットムーン
第10章 Funky Moon
 

「……ごめん、お口に合わなかったか」

 もっと朱羽の好みを研究しないといけない。

 ご飯とたらこしかないおにぎりですら、朱羽が作れば絶品なのに、あたしが作ると美味しくなくなる。

「違うんだ、その真逆なんだ……」

「え?」

 すると朱羽は片手を顔にあてて、弱々しく言った。

「……ちょっと今、俺を見ないで」

「え?」

「想像以上に幸せすぎて……顔が緩みっぱなしだから」

 朱羽の顔は耳まで真っ赤だった。

「……あなたと両想いになりたいとは思ってきたけど、だけど……ここまで幸せな気分になれるとは思ってなくて……」

「………」

「こんな美味しいの、俺が長年好きでたまらなくて、ようやく恋人になってくれた陽菜が作ったんだと思ったら……」

 やばい、なんなのこの可愛い生き物。

 可愛すぎて、胸がぎゅぅんぎゅぅんと苦しく疼くじゃない。

「これくらいならいつでも作れるから。どうせなら手の込んだ料理が成功したら感動してよ。なんだかあたし、全然作れない女みたいじゃない」

「正直な話、そこまで味は期待していなかった。問題は愛情だと思ってたから」

「はは」

「あなたも作る味も愛情も俺好みで、たまらなくなる」

 そして朱羽はあたしの顔中にキスの雨を降らす。

 朱羽の目が艶めいて男の顔になっていた。

「こ……ら、朱羽。ご飯食べよう? 冷めてしまうから」

 なんとかなだめすかして、ふたりで微笑み合っておにぎりを食べ、豚汁を飲むが、長く視線が絡む度に朱羽がやるせない顔をして、舌を忍ばせようとするから中々完食できない。

 なんとか全部食べると、朱羽は本格的に舌をぬるりと口の中に入れて、ねっとりとした味噌汁の味がするキスをしてくる。

 互いの身体に巻き付いた両手がいやらしく相手の身体をなで回す。

 朱羽があたしの足の間から膝をたてる。

 キスをしながら秘部が朱羽の足に擦れて、じんじんとする。

 その足をあたしが挟むようにすると、彼の股間も摩擦されるようだ。

 熱い目で見つめ合ったまま、深いキスをしながらふたりひとつに揺れ動き、互いの足が互いの感じる部分を刺激しあうと、朱羽はエプロンとワンピースを脱ぎ取った。

 朱羽は口を離し、身体を捻らせるようにして、互いの足を摺り合わせたまま、黒いブラの上からいやらしく両手を動かす。
 
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