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いじっぱりなシークレットムーン
第10章 Funky Moon
「泣き叫んでっ、狂うほど……ぁあっ、俺をっ、俺を好きになって!!」
悲痛な叫びに、快楽とは別に胸の奥が疼いてたまらない。
「好き……」
「もっと」
「朱羽が好きっ」
「もっとだ。もっと俺に近づけっ!! 俺と離れる未来なんてっ、一瞬でも思うんじゃないっ!!」
激しい官能の波にさらわれそうになりながら、朱羽は、あたしが洗面台で言ったそのことを気にしているのだとわかった。
「もう思わないからっ、ごめんね、朱羽っ」
弾む息で謝ると、朱羽は一層律動を激しくして、髪を振り乱し、汗を滴らせながら、猛烈な勢いであたしの中を擦り上げてくる。
「違うっ、陽菜のせいじゃない。俺がっ、まだなにも出来ない俺がっ!! あああっ」
朱羽の喉元が反り返る。
「陽菜を不安にさせたくないのにっ、俺がっ、俺がっ」
「朱羽……?」
「陽菜、俺についてきて。ずっと、一緒だ。一緒だからな!?」
深いところを突いてくる。
いやらしい音が鳴り響く。
「うんっ、朱羽。ああ……しゅ……イキそう、朱羽っ、気持ちいいっ」
「うん、わかる。あなたの……凄く絡みついてっ、ああ、本当に好き。陽菜が好きだ。このまま、このまま繋がったままで……っ」
指を絡めて握られる両手。
激しくなるキス。
「イクよ、イクよ、陽菜」
「うん、来て、来てぇぇぇっ」
そして――。
「はぁぁ、んん…っ、はっはっは…ああああっ、朱羽、朱羽――っ」
「……ああっ、陽菜っ!!!! 絶対……離すもんかっ、く……ああああっ」
上り詰めて、震える身体を強く抱きしめあう。
朱羽はしばらくあたしから出ようとせず、切ない顔であたしの唇に、ねっとりとした舌を絡ませ、ずっとあたしの頭とお腹を撫でていた。
……朱羽に満ちたこの時間が、幸せでたまらなかった。