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いじっぱりなシークレットムーン
第4章 Secret Crush Moon
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いつものことながら、寝覚め一番はすっきり爽やかながら、心臓に悪い。
隣に寝顔の結城、いやらしく絡んだ足。
布団を剥げば全裸のふたり、敷いているのは湿ったしわしわのシーツ。
どう見ても、結城との情事の名残。その理由が満月に結びつくまで数十秒はたっぷりかかり、そしてとりあえずは結城が起きる前に裸を隠そうと、慌てて布団にくるまる……そのリアクションは、いつも結城に見られており、今回もそうだったらしい。
気づけばまどろむような黒い瞳が向けられている。不意に筋肉のついた逞しい腕があげられ、ちょいちょいと指先を振られた。
「な、なにか……?」
すると今度は反対の手を上げた。あたしと繋がったままの手を。どうやらそのまま眠っていたらしいことに今気づく。
まず布団にくるまる前に、この手を離せと言われているのだと思ったあたしは手を離そうとしたが、逆に手を引かれて、結城の隣に滑るようにして戻ってしまった。
「寒い」
すると結城は、くるまった布団の中に入ってきて、あたしを後ろから抱きしめて、首筋に顔を埋めた。再び全裸同士で。
「結城、結城! もういいから、大丈夫だから!!」
寝ぼけているのだと、布団の中で暴れた時だった。
「……なぁ、香月課長って、昔の男? それとも満月の?」
完全不意打ち食らった。
あたしの胸の下にある結城の腕は、きっと動揺して鼓動を早めたあたしに気づいているだろう。
隠したかったけれど隠せない――。
「……満月の。ちょっと怒らせちゃったみたい」
その時、彼が童貞の中学生だったとは言えない。
結城なら事情を酌んでくれるかもしれないけれど、言いたくない。
「いつ?」
「黙秘」
「だったら、俺より前?」
「それだったら、YES」