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いじっぱりなシークレットムーン
第11章 Protecting Moon
 

「ちょ、離し「可愛い」

「……っ」

「妬いて貰いたいとは思ったけど、あのネコを人間のように思うほど、そんなに嫉妬してたの?」

「……っ」

「ん?」

 朱羽が両頬に両手を添えて、至近距離から覗き込んでくる。

 その距離僅か10センチ。

 暗闇があたしの赤面を隠してくれているとはいえ、嫉妬したことを隠しきれないあたしは、目を泳がせた。

 すると、ちゅっと唇にキスをされた。

 人前なのに!

 騒ぐと、今度はどでかいディープをしてきた。

「んんっ、んん……っ」

 朱羽とのキスは蕩けそうになる。

 自然と朱羽に抱きつくようにして、キスを甘受してしまう。

 荒い息をして唇を離すと、朱羽の熱い瞳が優しく細められている。

「どうしてこんなに可愛いあなたのことになると、俺……偏狭になるんだろう。……あなたが、結城さんとの方が楽しそうだから、結城さんの元に行きそうな気がして」

「行かないって」

「俺、ずっとあなたと結城さんは恋人同士で、相思相愛だと思ってたから、その癖が消えない」

 朱羽はやるせなさそうなため息をつくと、あたしを強く抱きしめ、あたしの頭上に頬をすり寄せた。

「格好悪くてごめんね……」

「いいよ、ありがとう妬いてくれて」

「それを言うなら、俺の方だ。俺、愛されてるね」

「そうだよ?」

「だけど俺は、それ以上だから。あなたが触るものに嫉妬する。あなたがその手で、その指で触れていいのは、俺だけだって叫びたくなる」

 朱羽が、あたしを見ながらあたしの手持ち上げ、指を口に含んだ。

 朱羽の眼差しに絡め取られながら、朱羽の舌が指の側面を舐める度にぞくぞくして、変な声が出てしまう。

 朱羽の濡れた舌が照明に反射して、すごくエロチックだ。

 どうしてこんなひとが、あたしに妬いてくれるんだろう。

 どうして、こんなに愛してくれるんだろう。


「あなたは、俺のものだ」


 その目が肉食獣のようにぎらつく。

 彼が隠さない独占欲に、あたしは細い息を吐きながら身震いした。



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