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いじっぱりなシークレットムーン
第12章 Fighting Moon
 

 
 副社長が入ってきた。別会社で役員をしている、多くの取り巻き達が着席する。

 うわ、副社長の家来はあんなにいるのかよ。

 もしかすると、副社長は既に過半数を確保しているのかもしれない。

 これは中々、結城就任は難しいかもしれない。……案の定。

 副社長が俺の傍に立つ。

 今更だがこの男は、ジジイの甥っ子で俺の親戚にあたる。

 直系は死んだクソ親父しかいなかったため、棚ぼたのような形で直系扱いをされた俺や朱羽ら兄弟達を、よく思っていねぇのは確かだ。

「たかが課長如きが、社長になどなれると専務は思っていますか?」

 ……お前はまったく思ってねぇよな、くそったれ。

「実力があれば成り上がれるのは、なにもシークレットムーンだけではないですからね」

「まるであなたが社長や財閥の当主になるように、ありえないことだと思わないのですかな、ここの連中は」

 俺に喧嘩を売っているのか。だったら、買ってやらねぇと。

「確かに、副社長が社長になれるように、難しいことかもしれませんね」

 俺のひと声で、ひくりと奴の頬肉が引き攣った。

 齢四十六だったな。権力に取り憑かれているのは、ある種……忍月という名前に押し潰された、忍月の犠牲者ともいえるのかもしれない。

 俺達兄弟が後継者とされる前、この男も後継者に名前が挙がっていたようだったから。

 それをジジイがより直系に近いものをと、はた迷惑な決断を下したわけだ。つまり副社長は、中途半端に忍月に染まって。夢だけを見せられていたわけだ。

 次期当主に推さなかったのは、副社長のやり方や性格がジジイには気にくわなかったのだろう。だから副社長止まりで、奴を飼い殺しにしようとしているんだろうと、俺は踏んでいる。
 
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