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いじっぱりなシークレットムーン
第12章 Fighting Moon
 

 ***


 株主総会に、誰が紛れて、どんな作用を及ぼすのかわからない。

 これもある種、悪しき化学変化が起きうる不穏な事態。

 それなのに、会場に入っていた木島くんと朱羽が、議長は宮坂専務ではなく、別の……副社長一派が務めることになったとあたし達に言った。

 あたしは衣里と顔を見合わせた。

 あたし達の予定では、宮坂専務が議長になるのだと、そう信じていたから。確かに専務は万が一の場合も憂えてはいたけれど、専務は辣腕で、彼とお近づきになりたいだろう、他の株主もいるだろうと思ったから。

 だがどうしても、副社長の手回しの方が、結城の努力や専務の権威よりも上だということは、確かとなった。

 議長ですら過半数を取れなかったのなら、結城の社長就任だって、過半数を取れない可能性の方が高まってしまったのだ。

「このままだと、結城がひとりで野次を受けないといけないわ」 

 結城を社長にしたくない集団は、結城にとって痛いところをついてくるだろう。社長として相応しいのか、それを露呈させようと。

 そんな中、テレビカメラもある。

 結城が負けてしまったら、全国の視聴者から駄目出しされる。今は匿名の書き込みが蔓延する時代だ。結城は社会的制裁をうけるかもしれない。

 あたしは居ても立ってもいられなくて、会場の扉を開けた。

 中広間とはいえど、大学の小さな講堂のように半円状に広がっている。

 その中で、前の席にずらりと並んでいるのが株主だ。

 あたしが見たのは、壇上で結城が、丁度マイクで演説を始めた場面だった。
 
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