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いじっぱりなシークレットムーン
第12章 Fighting Moon
 
 
「あ、はい。それと、俺の話が退屈のようなので、ちょっとご教授願いたいんですが、ヤマトデパートの大和社長。あなたは一代で今のデパートにまで押し上げたんですよね。どうやったら、そこまでになれるんですか?」

「ふふん、頭を使うのさ、頭を」

 それは喋りまくっていた集団のひとり。声が大きいからよく通る。

「どう使うんですか?」

「それは企業秘密だよ」

「それだったら、同じ一代で築き上げた瀬戸工房の社長なら、それをご存知ですか?」

「ああ、そりゃあね」

 これもガラガラ声のうるさい男だった。

「ええ……なんですか、それ。気になります……と、なんか寒いですね、ここ」

 あたしと衣里と杏奈は、それを合図にしたようにホテル従業員から温かいお茶セットを奪い、皆に配り始める。

 朱羽は温度調節、そして木島くんは他の男子社員に指示して別のマイクを用意して、前に座って株主の声をマイクで拾う。

 そう、あたし達もまた結城の一部だ。

 伝統的な総会にするために、ただ見ているだけでは嫌だ。

 これは、あたし達の会社の株主総会なのだから。

 結城の話術に、どっと笑いが湧いている。
 
 いつの間にか妨害して喋っていた株主は身を乗り出すようにして、壇上の結城と笑って会話していた。
 
 見るがいい、副社長。

 あたし達が社長にしたい男だって、人を惹き込むカリスマがあるじゃないか。株主が忍月の副社長の力を忘れるくらいに、月代社長だけではなく、結城にだって魅力があるんだ。

 だが副社長は、その和やかな空気を切り裂くように嘲笑う。

 木島くんがマイクを向けるのを躊躇ったが、あたしが指で指示する。

「子供の研究発表会ではないんだ、もっと高尚なことが言えないのか」

「え? 株主さん達は俺より年上の、偉大なる先輩達です。その教えを乞うことはいけないことでしょうか」

「なんで株主総会で、なんだ」

「はは。では副社長は、普段俺が教えて下さいとご連絡したら、教えて下さるんですか?」

 結城も負けていない。
 
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