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いじっぱりなシークレットムーン
第12章 Fighting Moon
 

「それは身内の話だろうが。そんなものは会社経営に関係ないんだ。私達は株主で、私達が株を買ったから会社が存続出来ている。そこを取り違えるんじゃない」

 怖っ!

「チームワークがよくても、黒字!! 株主に還元出来るだけのものを作らないと意味がないんだ!」

 取り巻きも賛同する。

 あれ、そういえば朱羽が居ない。

 どこに行ったんだろう。


「株主様達には感謝しています。ですが」

 
 結城は強い語調で言った。


「私達は、株主への利益還元のために働いているんじゃない。会社が好きだから、会社が帰る場所で、仲間達が家族だから、働いているだけだ。そんな、やる気を無くして萎えるようなことは言わないで頂きたい」

 副社長と取り巻きは黙り込んだ。

 さすが元ヤンキー(?)、威嚇は怖い。


「ぶはっはっは」


 笑い出したのは宮坂専務。


「忍月コーポレーションにはいませんな、会社が好きだからとか仲間が好きだからとか。あなたもそうでしょう、副社長。ただの意見の相違なのに、それを真理だと言うのは、滑稽すぎはしませんかね?」

「なんだと……!?」

「結城くんは具体的な数字を出してきた。あなたはそれがどんなものだったのか、言えますか? 他の株主の方々でもいい。覚えてらっしゃいますか?」

 手を上げたのは、いなかった。

「そりゃあそうでしょう。聞こえませんでしたから。どこぞの誰かが邪魔をして。せっかく面白い数字を出してきたのに。そして皆さんのお力があるのなら、それ以上の数字を期待出来そうだというのに」

 株主がざわめいた。

「もう一度、説明をして貰おうと思うんですが、いいですか?」

 副社長一派以外は賛同して、結城は再び説明をした。

 専務の口添えで、明らかに一回目の説明の時の反応とは違う。

 自分達が力を貸せば、もっと大きく出来る……そんな矜持が刺激されたか、積極的な意見が飛んだ。

 だが、それを許す副社長ではなかった。

「希望的観測の数値がなんだと言っているんだ。取引先もたくさん辞めたというじゃないか。顧客が満足出来ないサービスしか出来ないのに!」

 副社長は手元から書類を取り出した。

 それは取引を辞められた元取引先のリストだった。
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