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いじっぱりなシークレットムーン
第12章 Fighting Moon

「あ、箱ティッシュがない!」

 衣里が騒ぎ、あたしが手を上げた。

「あたし買いに行ってくる! お酒飲んでないから大丈夫!」

「なんで飲んでないの!?」

「最初のちょびっとは飲んだ」

 全員が飲んだくれたら、不測の出来事に素早く対応出来ない。

 皆が飲んで楽しそうにしてくれていればいいやと、あたしは飲み会でも幹事や酔っ払いの介抱側に回るのだ。

 だから別に特別なことをしているわけではなく、いつもの通り。

「じゃあいってきます!」

 そう笑顔でで行こうとした時、わざとらしい咳払いが聞こえて結城が言った。

「えー、本日まず最初の社長命令を下したいと思います」

 そして。

「香月。鹿沼の買い物を手伝ってこい!!」

 すると皆がそうだそうだと騒ぎ出した。

「いいよ、箱ティッシュだよ? それにまだ五時だし」

「駄目だ! お前はたとえ、カワウソやカバ、プ、プ、プーであってもだ! 女である限り、外界は危険に満ちているんだ。香月、お前なに笑っているんだよ、早く行け!」

「いや……、最初に、貴重な社長命令を、俺にくれたのが……」

 そして朱羽は立ち上がり、結城に言った。

「ありがとう」

 その笑顔はとても爽やかで、とても清々しく。

 あたしはおろかその場の、結城ですら真っ赤になってゴホゴホ咽せていた。

「この、天然タラシめ! お前は天然色気タレナガシだ。行けったら!!」

 ああ、お顔が真っ赤だよ、結城。

 同性なのに、どっきりしちゃったんだ?

「じゃあ朱羽、行こう?」

 朱羽は頷いて部屋から出た。

「なんか、さ……」

 皆を照れ照れさせた朱羽が照れている。

「ん?」

「……いつも俺、買い物に行く陽菜を追いかけてばかりいただろう?」

 考えてみれば、よく朱羽と買い出しに行くことが多い。

 買い物だけじゃないよなと、あたしまで照れ照れ。

「だから、今日は……買い物もないだろうし、自分からあなたの後を追わないようにしていたんだ。ストーカー行為の自粛」

 ストーカー行為?

 そこまで追われていた気はしないけど、最初を考えたら家で待ち伏せされたりと、確かにストーカーかと思った時もあった。


 
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