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いじっぱりなシークレットムーン
第12章 Fighting Moon
 

「そしたらさ」

 朱羽が、酒気を帯びてほんのりと紅に染まった目元をして、あたしを見た。

「……いや、やっぱりいい」

 朱羽は口元を両手で覆って、強制終了してしまう。
「よくないよ、なによ。なんなの?」

「いや、いい。なんだか俺……酔ってるのかな。矢島社長にかなり飲まされたから」

「酔っててもいいから、なに? 気になるし!」
 
「……駄目。なんだか本気で照れてきた」

「余計気になるじゃない」

 エレベーターが来て、あたしは朱羽をエレベーターの奥の壁に押しつけるようにして尋ねる。


「なに?」

 首を傾げてみると、朱羽はますます真っ赤になって、そのままずるずるとしゃがみこんだ。


「だからなんなの!?」

 エレベーターが一階に着くと、丁度乗り込もうとしているおじさんが、蹲る朱羽を見てぎょっとして言った。

「具合悪いんですか? だったら病院に早く……」

「あ……ここ病院ですので」

 朱羽を背負うようにして、ずるずると外に出た。

 待合にはひとがまばらで、椅子にはもう誰も腰をかけていなかった。

 朱羽がへろへろだから椅子に座らせると、朱羽がとろとろとした目をして、自分の膝をぽんぽんと叩く。

「ん?」

 ぽんぽん。

 これは膝の上に乗れと言っているのだろうか。

「ひとがいるし!」

 ぽんぽん。

「買い物行ってくるから、そこに居て」

「俺がなんで照れたのか、知りたくない?」

 ぽんぽん。

 熱く潤んだ茶色い瞳が、妖艶さを強めるように細められた。

「……おいで?」 

「……っ」

「陽菜」


 ……吸い寄せられる。

 
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