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*。:゚+ 小鳥遊 医局長の結婚生活+゚*。:゚
第12章 パワー・ゲーム
「小鳥遊先生。突然ですが、明日、女の子の居るお店へ行きませんか?」

医局で、小鳥遊がコーヒーを飲んでいると小峠が声を掛けてきた。

「いいえ…僕は結構です。皆さんでどうぞ楽しんで来てください。」

…もうこりごりだ。

小峠は、そのあとも高橋や山口などを誘っていた。小鳥遊はカウンセラーの勧めもあり出来るだけ、女性同席の飲食会とは、距離を置くようにしていた。小峠の誘いを断ったのもつかの間、偶然、外来の前で、外科医局長とばったりあった。患者のことや世間話をして外科医局長は声を潜めて言った。

「小鳥遊先生。久しぶりに飲みに行きませんか?」

外科医局長は派手に遊ぶのが好きで、女性を何人も囲っているという噂が以前からあった。

「いいえ…最近は体調がすぐれないので結構です。」

外科医局長は肩をポンポンと叩いて、小さな声で囁いた。

「小峠先生に聞きましたが、奥さんも今、居ないんでしょう?どうでしょうたまには羽目をはずしてみては?」

外科医局長はにやにや笑みを浮かべた。

「たまには気分転換も必要ですよ。」

…ああ また余計なことを。

「ねっ?明日はオペも無いんでしょう?小峠先生も連れて…あの人は若いころの僕の遊びっぷりに似てるんですよねぇ。」

大きな声で笑いながら去っていく背中を小鳥遊は見送った。

…一難去ってまた一難か。


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