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*。:゚+ 小鳥遊 医局長の結婚生活+゚*。:゚
第17章 冬の嫉妬
冬が子供達と戻ると今泉は既に家に帰って来ていた。

「おかえり。」

華も夏も今泉に抱っこをせがんだ。もう重くなってきたから難しいよ。と笑いながらもふたりを抱っこしてリビングへと向かった。

「ご飯すぐに作るから。」

その間、今泉は子供達と静かに遊んでいた。食事が済み、食後の片づけを冬がしている間に、今泉は子供達を風呂に入れていた。何度も繰り返されてきた分担作業だ。
あっという間に就寝時間が来てしまった。ベッドに先に潜り込んだのは、冬だった。そして暫くして風呂からあがって来た今泉が、冬の隣にそっと潜り込んだ。静かな部屋に衣擦れの音が聞こえた。

「静さん おやすみなさい。」

冬は静かな声で言うと、温かい空気が背中からやって来て、今泉の身体が冬にぴったりとくっついた。

「まだ怒ってるの?」

今泉の声が冬の背中に響いた。

「怒ってなんかいないわ。嫉妬してるだけだから。」

「もうしないから許して。だけど僕の事をもっと信じて欲しいんだ。」

…あの状況で信じても何も…できる筈がないじゃない。

「あの状況じゃ無かったら、信じられるかも知れない…け…ど…。」

冬は振り返り今泉の顔を見つめた。いつの間にか、今泉の髪にもグレイの髪が混じるようになっていた。口元にも笑うと浅い皺が出来た。

「判ったよ…。トーコさんはいつもガクさんを基準に考えてるんだ。」

今泉は悲しそうに目を伏せた。

「どうしたのよ?静さん…何かおかしいわよ?」

冬は布団の中で温まった手で今泉の顔を優しく撫でた。

「僕にも判らない。けれど、トーコさんがいつもガクさんと子供達を見ているような気がするんだ。」

冬はショックだった。今泉は自分のことを一番理解してくれていると思っていたからだ。
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