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壊してほしい
第4章 突然
『胃………そういえば痛いかも…
うっ………オエッ』

話しているとまた嘔吐いた。


『これは病院行かなくちゃ!
夜間診察だとえーとどこが近いっけ………』
氷月は慌てて脳内にある市内の病院リストを捲る。



『オエッっ…………、はあっ、氷月さん、わたし病院ダメ…………』

体を折り曲げ苦しげに言う雫石に、
氷月はハッとする。



『そうだった………………』
雫石は家出少女なのだ。

保険証など持っているわけもなく、

受診したらバレてしまうかもしれない__________。





『だけど雫石!
診てもらわないと、病気だったらどうするんだよ!
さ、行こ!夜間のが人目につかないから』
氷月はスウェットにジャンパーを着せて、
自分は下だけジーンズに履き変えると雫石を抱き肩を担いだ。



(全額払えばいい…………!構うもんか)


財布を奪うように取り、

携帯でタクシーを呼んだ。



青ざめている雫石の手をぎゅうっと握って、
大丈夫、大丈夫だよと囁きながらタクシーを待った………………………………………………
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