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壊してほしい
第1章 拾った女の子
『寒っ………』

柊氷月【ひいらぎひづき】は、
両手で身体を抱え込み背中を丸め店の外に出た。
長身の体躯が少し猫背になる。

夜10時半。


もう客は来ないし、
店を閉めよう。



そう思って重いガラス格子のドアを開いた。

ガランガランとベルが鳴る。


暗闇に息が白く浮かぶ。


12月初旬。
今年の冬は例年よりも寒いらしい。


氷月は〔OPEN〕の看板を裏返した。


寒さで洗い物をしていた指先が痛い。


『明日は晴れるかなぁ………』
連日曇り続き。空を見上げた。


―――そのときである。

ドサッと音がした。
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