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無意味なPKを持つJKの話
第12章 春が来る
それから、小川に会うことはなくなって。

明子は大学に進学のため、家を出た。


地元に帰っても広い田舎、会うことは無いとわかっていても、実家に帰るのは躊躇われて。

2年に1回ぐらいしか帰らなかった。


大学は、楽しくて。

寮とはいえ、一人暮らしは大変で。

思ったより、小川のことは思い出さなくなった。


大学のある街で就職もした。


職場も慣れたある日、大きなミスをして。落ち込んで。

ふと、小川の言葉を思い出して、チカラを使った。



相変わらず、真上にしか浮かばないし。

その距離も5センチと進歩は見られない。


だけど。


たった5センチだけど、ココロが軽くなった気がした。



本当だね。


全てのことに意味はある。



それから、何か落ち込んだ時は思い出して、チカラを使う。


それだけ。



きっと、大丈夫。





「うっわ!またやってる!母さん、またなんかやったのー?」
「やったのー??」
「オレもやるー!」

賑やかな声がどやどやとリビングに入ってくる。


「うん、鍋焦がしちゃってー」









    ー完ー

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