この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
無意味なPKを持つJKの話
第7章 小川の家
「えっ、もういいよ。お腹いっぱい」

あんなにおむすびをいっぱい食べたというのに。
まだ食べ足りないのだろうか。

「それに、もう私帰るし」

「食ってけよ。どうせ野菜炒めんのぐらいしか出来ないし」

立ち上がって追いかけるように部屋から出ようとするのを、小川が立ち止まり戸口で遮ろうとする。

「でも、こっからウチ遠いし。そろそろ帰らないと」

学校を挟んでほぼ反対方向に明子の家がある。
ここまで20分ちょっとかかったから、1時間はかかるだろう。
雨の中、1時間自転車を漕がないといけない。
なんとも億劫だが、他に方法がないのだ。仕方ない。

「そうか」

なんだか残念そうに小川が呟く。

そう聞こえた気がするのは、明子の願望だろうか。

「ま、また次の機会に」

「だな。もうちょっとしたら、部活引退するから。時間増えるな」

どうやら剣道の地区大会が近々あるらしい。
それを終えると、3年は引退なんだとか。

「一応、受験生だからな」

一応?

小川に見送られながら、靴を履く。
一応という、その言葉が気にかかる。

「推薦で行けそうなんだ。まあ、今のとこ?」

その後続けた大学の名前は、この県の国立大学だった。
ここら一帯では、どの学科も一番だろう。
この街に詳しくない明子にも、それは分かる。

確か、推薦って全体的な成績の良さと、人柄とか、普段の行いとか。
それでもって、各高校から1人とか多くて2人。

ということはー、希望者にもよるが、小川は学年でおそらく10位以内とか。もっとかもしれない。

「マジ??小川って頭いいの??」

「なんだ、その意外そうな顔」

驚いた明子の顔を見て、くっくっくっと楽しそうに笑っている。

「じゃあさ、今度勉強教えてよ」

流石にこのままではマズい。
そう思って、図書館で1人勉強しようとしたが、全く捗らなかった。

「いいけど」

「コーラ!コーラ買うから!!おっきいやつ!」

「あはは!いいね、乗った!」


楽しそうに手を振る小川の家から、明子も心軽く自転車を漕いで家に向かった。

あんなに疲れたはずなのに、遠いと思った家までの距離も、何故だかそんなに苦にならなかった。
/116ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ