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蜘蛛の巣
第4章 穏やかな日
真里枝は本人以上に大乗り気で話し続ける
「いいなぁ……一人でいいから紹介してよ。玉の輿狙って付き合うから」
「じゃあさっきの二十四歳の……」
「プラス五歳までで!」
うーん、と華も真里枝の冗談に乗って唸る
「結利く……」
「ユウくんね」
「……ユウくん除くと、クオーター、寡黙、いじめっ子って感じかな」
壮真、要、和樹それぞれのイメージに合わせてキャッチコピーを付けたみた
「リアル王子、クール、ドSね……悪くないな……」
壮真の"王子"はあながち間違いでないとして、要の無愛想も和樹の意地悪も真里枝にかかればこんなものか
「やっぱ実際会ってみないと決められないよー!」
「それは……」
ほぼ無理だろうな、と華は申し訳なさそうな笑みを浮かべる
「やだ、なんで華がそんな顔するの! こんなのいつもの冗談だと思って聞き流してよー!」
「あ、ごめ……」
「でも!」
真里枝は酒も入っていないのに酔っぱらいのように肩を組んできた
「チャンスがあったら絶対教えてよ?」
「もう、真里枝ったら……」
本当に、真里枝といると楽しくて何もかも吹き飛んでしまう