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蜘蛛の巣
第4章 穏やかな日
"早霧遥に、なんて言えない……"
「そのー……イケメンの一人に」
「あー、やっぱいるんだ。イケメンだからって調子に乗ってる人。
華、そういう顔は良くても中身最低系は絶対だめだからね」
「だから私が選ぶんじゃないんだってば」
真里枝はそんなことお構い無しにどんどん質問を重ねてくる
「歳は? そんなに離れてないんだよね?」
「うん、一番上で二十四かな」
「え、オッサンじゃん!」
「ハハ……」
煉が聞いたらなんて言うか
「下は?」
「十六」
「ガキじゃん!」
"うん、それは否定しない"
綾斗と茅斗を思い浮かべながら同意する
「同い年はいないの?」
「いるよ。音大生」
「すごっ! え、なに優しい?」
「んー、結構気は合うかな」
結利には二日前、とても楽しい一時を過ごさせてもらった
「じゃあその人いいじゃん! なんて名前?」
「鶴見結利くん」
「ユウリ……ユウくんだね!」
「いや、そんな親しい間柄じゃないんだけど……」
「もう華ったら、親しくなってからじゃなくて、親しくなるためにやるんだよ!」