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蜘蛛の巣
第5章 告白
否定するのについ大声を出してしまった
「ただ…あまりにイケメンだから緊張しちゃっただけだって」
「……ふーん」
華の咄嗟の言い訳を真里枝は納得していない様子
だがとりあえず話はここで打ち切られ、華はほっとして入学式を迎えたのだった
ーーーしかしその時間もすぐに終わる
在校生代表の挨拶に、遥が登壇したのだ
衝撃的すぎて話が全く入ってこない
「……在校生代表、鶴見遥」
最後に発したこの言葉だけ、辛うじて華の耳に入ってきた
"今何て言った……?"
気になりすぎて隣の真里枝を小突く
「ねぇ今、鶴見遥って言った?」
「言ったよ。やっぱり知り合いなんじゃないの?」
ううん、知らないと囁き返し視線を前に戻す
本当に、知らない
何故"鶴見遥"と名乗るのかーーー
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「うーん、つっかれたー! 鶴見様が唯一の癒しだったわー」
真里枝が伸びをする横で、華は浮かない顔をしている
「華、斑目様に連絡しなくていいの?」
「あ……そうだった」
「えっ華、この後用事あるの?」