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蜘蛛の巣
第5章 告白
駅に到着し、華は改めて煉に連絡を入れる
「……あ、もしもし?」
『ああ、華チャンか。ごめんね、実は僕急用入っちゃった』
「え!?」
『代わりのナイト頼んどいたから。そろそろ着くんじゃないかな』
"ナイトって……"
電話を切りながら華は困り果てた
"誰なんだろう"
何で迎えに来るのかも分からなければ探しようもない
プップー!
すぐ近くでクラクションが鳴り響き、考え込んでいた華はびっくりして飛び上がった
そして思わず音のした方を振り向く
「あ……」
そこには見覚えのあるポルシェが停まっていた
「ごめん、待った?」
茶色い髪を風に靡かせながら出てきた彼は琥珀の瞳で問うてきた
それはさながらドラマのワンシーンのようーーー
華は背後が一気に色めき立つのを感じた
「あの……いえ…全然……」
たどたどしく答える自分の言葉に、驚きや恥じらいではない気持ちも含まれていることに気が付く
「……行こうか。すぐ着くから」
それを察してか、彼はわざわざそう言って再び車に乗り込んだ