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蜘蛛の巣
第5章 告白



「なんで泣いてるの?」

「……」



そんなの答えられるはずもなくて、華はただ首を横に振った



「俺が怖い?」



その言葉にぴたりと動きを止める華



あの夜のことが思い出されるーーー

でもその時も今も、感じるのは恐怖ではなかった

握り締める手から伝わる温もり



「分かりません……」



華は素直にそう言った



何が分からないのか

それは自分ではなく、壮真の気持ちだった

何を思ってあの時傍にいてくれたのかーーー



「俺は」



華を捕らえる手が強く、熱くなった



「本気だから」



えっ、と華は顔を上げる



「だから……謝らないよ」



そう言いながら彼の瞳は申し訳なさに揺れているような気がした



"本気……"



それって、告白ーーー!?



「え、え!?」



顔が真っ赤になるのが分かる

告白なんてされたことがない



"こういう時、なんて言えばいいの!?"



そんな彼女を見て壮真は笑うとその手を放した



「ごめん、唐突過ぎたね」

「からかってるんですか……?」



そう言われて壮真の顔がすっと真顔に戻る


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