この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
蜘蛛の巣
第6章 砕かれた心<オモイ>

******************************
「ふー……っ」
入学早々大学から出された課題を一段落させ、華は大きく体を伸ばした
そして脱力しながら天井を見つめる
「なんか今日は二人とも変だったな……」
夕食時、綾斗も茅斗も明るく振る舞ってはいたものの、いつもの元気はどこへやら、といった感じだった
いや、正確にいえば食堂に戻って来てからか
「やっぱり要さんと関係あるのかな……」
良い意味でも悪い意味でも、要との関係は初日から何も変わっていない
夫候補の中で最も会っていないし、何も分からなかった
「遥さんのことといい…前途多難って感じ……」
天井を見上げたままぼそりと呟き目を瞑る
特に今気になるのは壮真のことだった
'本気だから'
腕を掴み、真剣な眼差しでそう言った彼を思い出す
華は顔がかぁっと熱くなるのを感じてぶんぶんと首を横に振った
「えっ、もうこんな時間!?」
ふと目に飛び込んできた時計を見れば、もう少しで日付が変わるというところ。
「お風呂入ってついでに頭冷やそ……」

