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蜘蛛の巣
第6章 砕かれた心<オモイ>



壮真のような才色兼備な王子様が自分を好きになるはずがない



華は服を脱いで風呂場に入ると、シャワーの蛇口を捻って頭から水をかぶった



「…壮真さん……」



頭を冷やすとはいったものの、シャワーはすぐお湯に変わり反対に頭をぼうっとさせる

気が付けば壮真のことばかり考えていた



"えー、いいじゃん! 付き合っちゃいなよ!"



真里枝ならきっと迷わずそう言うだろう

容姿端麗、紳士的な壮真は恋人として申し分ない相手だった



"でもここに来たのは恋人見つけるためじゃないし……"



生涯の伴侶となる相手と出会うため。

それは一時の気持ちで決めて良いものなどでないことは、華自身がよく分かっていた



「あーもうっ、どうしろっていうの!」



十八歳の女子には重すぎる使命に華は苛々と声を上げながら蛇口に手を伸ばした


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