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蜘蛛の巣
第7章 それぞれの顔



空気が悪いわけではない

それでも慣れない華には辛い空間だった



「そういえば」



そんな彼女の思いを知ってか知らずか、和樹が不意に口を開いた



「壮真さん、昨日はまたお楽しみだったんですか?」



壮真を含め何人かの箸が止まる

もちろん、華も。



「……どういう意味かな?」



壮真は落ち着いて切り返す



「またあの人に付き合って遊びに行ったのかってことですよ」



華の胸の鼓動が早くなった



"じゃあやっぱり昨日和樹さんが言ってたことって……"



その上彼の言い方は既に複数回それが行われたことを示唆している



自分は壮真に惹かれかけている

彼のことなど何一つ知らないのに。

和樹の方がずっと色々なことを知っているだろうに。



それでも華は、壮真に違うと言って欲しかった

それは君の勝手な妄想だと。







「和樹はもっと時と場所ってものを選べるようにならなきゃね」







"……!"



壮真お得意の"氷河期"の笑みでそう答える



"否定…しないんだ……"



「……ハナ? どうしたの?」



茅斗が心配そうに覗き込むが、それにも気付かずに華はただ茫然としていたーーー


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