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蜘蛛の巣
第7章 それぞれの顔
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それから更に三日、処は談話室ーーー
まだ慣れない大学生活(と嫁いびり)に四苦八苦する華のもとへ双子がやって来た
「ハナ、明日大学休みなのー?」
「え、うん。何で知ってるの?」
確かに明日は休講日だ
でもそのことはこの家の誰にもまだ言っていない
「ソーマが言ってたー」
「壮真、さん……?」
当然、壮真にも。
"壮真さんは一体どこから……あ、もしかして"
早霧遥?
「あのね、良かったらお願いがあるの」
考え込む華に構わず綾斗は話を続ける
「明日テニスの交流試合があるから見に来て欲しいなー」
「……え? ごめん、聞いてなかった」
「もうっ、ハナったら!」
心ここに在らずの彼女に綾斗は頬を膨らませた
「ハナ、最近変だよね。話し掛けても気付かないこと多いし」
茅斗は心配そうに華を見る
"そ、そうだったんだ……"
意識の外側にありすぎて何も覚えていない
周囲にそんな態度を取っていたとは、申し訳ない気持ちになる
「んでね、元気ないからボクたちの試合見に来て欲しいのー!」