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蜘蛛の巣
第7章 それぞれの顔
「しょうがないなぁ。全くこの程度で怒るなんて、まだまだ青いねぇ」
綾斗のこめかみがぴくぴくとひきつる
「ま、まぁまぁ二人とも!」
華が不安そうな色を見せたため茅斗は急いで間に割って入る
「とりあえずハナの意見聞こうよ! ね、ハナ?」
「う、うん」
とはいえ、ここにいる三人とも意見は一致している(目的は別として)
これはもう断るのは不可能だった
「じゃあ、せっかくだから行こうかな」
「やったぁー!」
「ありがとハナ! ボクたち頑張るからね!」
二人の喜びように華も思わず顔を綻ばせる
ただ、何より華を決断させたのは、
遥の近くにはいたくない、
ということだったーーー
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翌日ーーー
二人の試合は前回を大きく上回る観戦者を迎えて開始された
親戚だからか金持ちのコネか、前の方に座ることの出来た華と煉
華は試合前の少し緊張した二人の横顔をじっと眺めていた
「やっぱりこうして見ると二人ともカッコい……」
「いや~、やっぱいいね! この青春ってカンジ! 若い女の子がたくさんいて!」