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蜘蛛の巣
第8章 光と影



「プ…はいっ」



華は茶目っ気たっぷりな煉の態度に笑みを零すと、それ以上橘に突っ込まれる前に素早くその場を後にした






彼女の言う通り、食堂では結利が一人寂しく夕食を取っていた

現代っ子らしく片手でスマホ弄りながら。



「ああ華、お帰り。遅かったんだな」



気配に気付いてぱっと顔を上げる結利



「うん。他の皆は?」

「和樹と要は外で食べてくるって。

壮真はまだ連絡来てないけど」

「そっか」



壮真がいないことに何となく安心しながら華は彼の反対側に腰掛けた

すぐに温かいご飯が華のもとに運ばれてくる



「アーヤたち、試合負けたんだな」

「あ、うん……何か言ってた?」

「いや。ただここに来る前にすっげー仏頂面のカーヤと大泣きしてるアーヤ見たからさ」



二人はいつも試合に負けるとあんな感じらしい



「ガキだよな、ホントに。高二にもなって騒いだり泣いたり」

「だよねぇ」



白米を口に運びながら華も苦笑する



「でもあの二人がいるとなんか無理やり元気にさせられるよね。二人がずっとあんなだったら調子狂うなぁ……」



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