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蜘蛛の巣
第1章 出逢い

「あはは! ハナびっくりしてるー!」
「子供みたーい!」
綾斗と茅斗は先ほどの仕返しのようにからかってくるが、これは驚かずにはいられなかった
「さ、華様」
しばらく空気のようになっていた橘の手を叩く音で華ははっと我に返る
「他の方々にお会いになる前に、まずはお部屋にご案内いたしま……」
「それ、ボクたちがやる!」
「橘さんはもう下がってていいよ!」
「え、ちょ、そういうわけには……」
「命令命令!」
かなり強引に使用人を締め出す
橘が観念してその場を後にしたその時、背後から声がかけられた
「随分騒がしいと思ったら、アーヤ、その子が僕のお嫁さん?」
「レンおじさん!」
「おじさんのお嫁さんじゃないよ!」
振り向くとそこには柔らかい笑みを浮かべて佇む和服姿の男性がいた
「アーヤ、カーヤ、おじさんはやめてって言ってるでしょ? 僕まだ二十四歳なんだから」
「あの、あなたは……」
男はゆっくりと歩いて来ると華の前で立ち止まり、目線を合わせるために軽く身をかがめた

