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蜘蛛の巣
第1章 出逢い

「初めまして。僕は斑目煉。えっと……ハナ、ちゃん?」
「あっ、白河華です! よろしくお願いします! 初めまして!」
斑目家のご子息様のご登場だ
華は焦るあまり挨拶の順番があやふやになっていた
そんな彼女を見て煉はプッと吹き出す
「ははっ、君って面白い子だね」
え?
え?
面白いって何?
「レンおじさーん、ハナは緊張してるんだよー?」
「そうだよ、可哀想だよー。ホントおじさんは女の子の気持ちがわっかんないよねー」
「まさかそんな! 僕ほど女性の気持ちを理解してる男はいないよ?」
華を置いてどんどん話が進んでゆく
「あ、あの……」
華は小声で申し訳なさそうに割って入った
「あ、ごめんねハナ!」
「お部屋行くんだったよね!」
その言葉に煉がぴくりと反応する
「なるほどなるほど。では僕がエスコートしてあげましょう。
お手をどうぞ、レディ?」
決め顔で手を差し出され、戸惑いながらもその手を取る
ガッ
「きゃっ!」
触れあった瞬間に一気に腕を引き寄せられ、あっという間に華と煉は腕を組んでいた
「アーヤ! カーヤ!」
「なに、レンおじさん」
いつものことなのか、二人は冷めた声で答える

