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蜘蛛の巣
第9章 悩み
“とは言われたけど……”
それから五日ほど、華は何のきっかけも掴めずにいた
ただ苦手なだけならここまでの苦労はしない
華の中で壮真が何なのか未だにはっきりしていなかった
が、知るのも怖くて−−−
“真里枝のことも何とかしなきゃだし……”
華は考えていても解決しない問題を頭の中でぐるぐると渦巻かせながら広いベッドをごろごろと右左に転がっていた
“泊まり掛けで温泉行くとか言ったらまた何か言われるかな……”
「……!」
突如として華の頭に閃きが走る
そのことにはっと息を呑み目を見開いた瞬間−−−
「わっ!?」
ベッドから落ちた
「……ったた」
しかし今はそんなことを気にしている場合ではない
急いでサイドテーブルに置かれた携帯に手を伸ばすと、アドレス帳から真里枝の電話番号を探し出した
『……もしもし』
「あっ、真里枝!? ちょっと提案があるんだけど」
『……?』
「今度二人でお泊り会しない?」
電話の向こうで小さく息を呑む音が聞こえた