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蜘蛛の巣
第9章 悩み
「壮真さんが何を考えているのか分かりません。彼女さんがいるのにそんな風に私に優しくするなんて……」
「ちょっと待って。それが前にも気になったんだ。俺、彼女なんていないよ?」
「え」
「もしかしてまた和樹が何か余計なこと言ったかな……」
壮真は困ったように頭を掻く
華は訳がわからなくて顔をしかめた
「だって…朝まで帰らないって……またあの人に付き合ってって……」
そこまで言って、華ははっとした
「壮真さんまさか…複数の女性と遊んで……」
「ちょっと待った! 全く……かなわないな、君の想像力には」
壮真は眉尻を下げて苦笑すると、一からちゃんと説明すべく深く息を吸った
「和樹の言った"あの人"っていうのは、遥さんのことだよ。
俺はこの屋敷の誰よりも、遥さんといる時間が長いからね」
「あ…そうだったんですか……でもどうして壮真さんが?」
「さぁ、どこか気に入ってもらえるところがあったんだろうね」
和樹に完全に騙された
本当に、なんて子供っぽい意地悪をする
「ごめんなさい、私…全然知らなくて……」
「いや、華ちゃんが謝ることじゃないよ」
頭を下げる華に壮真は慌てて言った