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蜘蛛の巣
第1章 出逢い

「華チャンの部屋って、どこ?」
「……」
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とりあえず一連の流れは一段落し、一向は華の部屋へと足を向けた
「あの……なんでこのまんまなんでしょう」
「さぁ、なんででしょう?」
煉と腕を組まされたままで、華は顔を真っ赤にして歩く
「ねーねー、そろそろ放してあげたらぁ?」
「いい歳したおじさんがみっともないよー?」
「カーヤ! あと八年したら君もいい歳したおじさんなんだよ!」
「そしたらおじさんは三十路越えてるけどねー」
"楽しい…楽しいけど……疲れるっ"
三人の間で苦笑いしながら華はそんなことを考えていた
「あ、あの奥がね、華の部屋だよ!」
綾斗の言葉に長い廊下の奥にある扉を見る
「あれが……」
「ねぇ、さっきから何やってんの?」
突然背後から声をかけられ、一同は飛び上がった
「兄さん、そんな若い子と手なんか組んで、訴えられたいの?」
「和樹! いつからそこに……」
「え、五分くらい前からだけど」
"うそ、五分も見られてたの!?"
カズキと呼ばれたその男は今度は華の方に目を向けてきた
「キミもキミだよ。もう相手決めちゃったの? しかもこの人? シュミ悪いね」

