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蜘蛛の巣
第10章 旅先にて。
「……あ」
全員がはっとした顔をして要の方を見る
要は終始無表情で一言も口を挟まずにいた
「メーちゃん!」
「まさかメーちゃんまで来ないとは言わないよね!?」
詰め寄られた勢いに要は思わず背中を仰け反らす
「……」
「要くんが来なかったらこの旅行大変なことになるよ〜」
和樹の方は上手いこと責任者の立場を逃れようとしている
要は黙って三人を交互に見てから−−−
小さくため息をついて顔を逸らした
「やったぁ!」
「これで安心だね! ね、ハナ!」
「あ…う、うん……」
結局損な役回りを押し付けられただけのような気がして、要が不憫である
「じゃあ要クンがお父さんで華チャンがお母さんだね」
「変な設定付けないでよ、レンおじさん!」
「こんな頼りない母親なんてやだなぁ」
「いや和樹、問題そこじゃねーから」
“……というか頼りないってとこをフォローして欲しかったんですけど!”
和樹に対してツッコミを入れる結利に華は心の中でツッコむ
最後に壮真がまとめた
「それじゃ、この五人で決定だね。
行ってらっしゃい。楽しんでおいで」