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蜘蛛の巣
第10章 旅先にて。
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それから少し町を散策し、旅館に戻った華たち一向
「お帰りー。ちょうどご飯の用意出来たってさ」
和樹に言われて和室に行くと、そこには旅館らしい豪勢な和食料理が並べられていた
「こんなに食べられるかなぁ」
そんなことを言いつつも、双子に市中を散々引き回された華はかなりの量をお腹に入れることが出来た
むしろ食べていないのは要の方で、いつものように双子が彼の残りを取り合っている
要はまだ華が半分も食べ終わらないうちに立ち上がり、さっさと別の部屋へ行ってしまった
「皆様、今から二時間、温泉の方を貸し切りにさせて頂きます。どうぞごゆるりとお入り下さい」
他のメンバーもあらかた食事を終えた頃、旅館の女将が挨拶に出てそう言った
「うん、分かった」
和樹は当然のことのように言ってから先ほどからつけていたテレビに視線を戻す
「僕この番組終わってから行くから、みんな先行ってていいよ」
「はーい」
「なんかさ、カズってレンおじさんとあんま変わらなくない? ずっとだらだらしてさぁ……血筋?」