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蜘蛛の巣
第10章 旅先にて。
"真里枝にも見せてあげたいよ"
華は周りを囲む岩に腕を乗せ、その上に顎を置いた
お泊まりは出来ないと言ってしまった手前、温泉に行くとは言いづらくて結局黙って来てしまった
秘密にしているからお土産を買って行くことも出来ない
華の心の中は申し訳なさでいっぱいだった
考えてみれば、ここ最近ほとんど真里枝と話していない気がする
何でも相談に乗ると言ってくれたのに、何を相談して良いのか分からなくてーーー。
休み明けにあったらもっといっぱい話すようにしよう
高校のころみたいに学校帰りにカラオケ行ったり、買い物したりしようーーー
バシャッ!
うとうとしていたら腕を滑らせて湯の中に落ちてしまった
慌てて体を起こし、顔を拭う
「出よう…のぼせる……」
華は湯船から上がると軽くシャワーを浴びて露天風呂を後にした