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蜘蛛の巣
第10章 旅先にて。
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翌日
今日は車で少し行ったところにある動物園に行く予定だった
別に動物園なんて何処にでもあるが、半年ほど前にリニューアルされてからまだ誰も行っていないらしい
もちろん、綾斗アンド茅斗兄弟はしょっぱなからはしゃぎまくりだった
「あれ! あれ見て! カピバラ!」
「ホントに温泉浸かってるよ!」
「アルパカだ! ミラバケ……」
「違うよ! リャマって書いてある!」
「えー、わかんないよー」
「あ! ライオンだ!」
「ボク一番好きなのライオン!」
「……ライオンなんてどの動物園にもいるのにねぇ」
和樹は二人の後ろをゆっくり付いて歩きながら華の隣で笑っている
華もそれなりに楽しんではいたが、目の前であれだけはしゃがれると興が冷めてしまう
だが彼女は気持ちを高揚させているのが双子だけではないことに気が付いていた