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蜘蛛の巣
第10章 旅先にて。
二人を追う華と和樹の、さらに後ろから付いてくる男
彼は確かに他の面子といたくないという気持ちもあるのだろうが、時折心配して振り向く華は見ていたのだ
静かだが食い入るように動物たちを見つめる、彼の姿を−−−
"要さんてもしかして……動物、好きなのかな"
そして、彼女の予想が正しかったことは午後になって証明された
「ねぇ! ウサギの抱っこコーナーだって!」
「抱っこ出来るんだって!」
一向がやって来たのは、ふれあい動物園
ヤギに触ったり、猿を肩に乗せることも出来る
そこでとりあえず二人に付き合って華はウサギの放してあるケージの中に入った
「あれ? 和樹さんたちは入らないんですか?」
「いやー、僕はいいよ。なんか面倒だし。
要くんは?」
「……俺も別にいい」
「そうですか……」
三人が話している間に、綾斗たちは既にウサギとふれあい始めている
「この子可愛いー!」
「すっごいもふもふしてるね!」
大声で騒ぎながら撫でたりしていたところへ、係の人がやって来る
「こんにちは! 君たちは中学生かな? ウサギを抱っこしたことはある?」