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蜘蛛の巣
第10章 旅先にて。



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「ハナー!」

「卓球しよ!」



風呂と食事を済ませ、少し部屋で寛いでいたところへ双子が入って来てそう言った

車の中で十分に休み、二人はもうすっかり元気だ



だが華は少し躊躇う素振りを見せた



「他の二人も行くって」



そう言われてやっと立ち上がる

和樹や要が行くなら行くしかないと思ったからだ



「でも私全然出来な……」

「大丈夫大丈夫! みんな体育の授業とかでしかやったことないから、おんなじだって!」







綾斗の"大丈夫"はあてにならない

華は今それを確信していた



「ッサー!」



綾斗の返した球がサイドラインのぎりぎりに鋭く刺さる



「ちょっと、ただの遊びなんだからそんなに本気にならないでよ……ねっ!」



対する和樹も素早いサービスでエースを決めた



「あーあ、僕もう疲れちゃった。誰か代わって」



和樹は台の上にラケットを置くとダルそうにベンチに戻って華の横に座った

かなりハイレベルなラリーをしていたように見えたのに、彼の浴衣は一切乱れていない



"皆おんなじって、絶対ないでしょ……"



そう、思っていたのだがーーー



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