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蜘蛛の巣
第10章 旅先にて。



スカッ

コッ……コッ…コッ…





「……」

「……」

「……」

「……」

「……プ」



なんと見事な、空振り



「アハハハハハ!」



一瞬の沈黙の後、和樹がそれを破って大声で笑い出した



「ちょ、華ちゃん…キミ……面白すぎ……っ!」



息も絶え絶えに言葉を吐き出す

笑われる華の顔は真っ赤に染まっていた

ふてくされていた茅斗も、あの要でさえ、綺麗すぎた空振りに唖然としている



「カズ! 一生懸命やったのを笑うなんてサイテーだよ!」



綾斗だけが本気で彼に怒っていた



「ハナ、練習すれば絶対上手くなるよ! カズなんか簡単に倒せるからね!」

「いや別に倒したいとは……」



こうなることは大方予想していた

なぜなら華は運動が大の苦手

今日の彼らやテニスをする双子を見て本当に自分と血が繋がっているのかと思うほどだった



「諦めちゃダメ! ボクが教えてあげるから!」



にしても、かの有名なM氏をはじめ、テニスプレーヤーは熱血漢が多いのだろうか

頼みもしないのに、そこから綾斗による華への猛特訓が開始された



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