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蜘蛛の巣
第1章 出逢い

和樹の部屋を過ぎ、さらに奥へと向かう
そこには美しい彫刻が施された大きな扉があった
「ここだよ!」
それをゆっくりと見る間もなく双子がその扉を開く
中に入った瞬間、天蓋の付いた豪華なベッドが目に飛び込んできた
「うーん、なんちょっと狭いなぁ。ハナ、文句言ってこようか?」
「え!? 充分広いと思うんだけど……」
"というか一人部屋にしては広すぎると思うんだけど……!"
「でもベッドはおっきいねー! これなら一緒に寝れるねー!」
弟はシワ一つない整えられたベッドにダイブして嬉しそうに跳び跳ねている
本来十六歳ならあり得ない行動だが、あまりに微笑ましくて華はつい笑ってしまった
でもこれだけは言っておかなくては。
「カーヤ、一緒はさすがに……」
「もう子供じゃないんだから、それはだめでしょう」
華が断る前に煉が厳しい声で諭す
「だいたい二人ともはしゃぎすぎだよ? カーヤ、そこは華チャンのベッドなんだから、そんな泥ついた服で上がらないの」
煉がここにきて初めてまともな発言をした

