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蜘蛛の巣
第1章 出逢い

「ところで華チャン、この部屋奥にシャワーがついてるんだよ」
「あ、はぁ、そうなんですか」
「今ちょっと覗いてきたらガラス張りでもし良かったら見張っててあげるから今から……」
ガツンッ
「……ったー!」
煉は殴られた頭を押さえてしゃがみこんだ
「この変態……その薄汚い口を閉じろ」
"アーヤ、怒りすぎてキャラ変わってるよ!"
拳を固く握り怒りを含んだ笑みで見下ろす綾斗
「ア、アーヤ……どうやって僕を殴ったの? この身長差で」
ガツン!
再びゲンコツが打ち込まれる
「あのね! すごい大ジャンプしたんだよ!」
「カーヤ! なんでそういうこと言うの!」
綾斗は不機嫌になったらしくプイと二人から顔を背けた
そしていきなり華の腕を掴み引っ張る
「ちょ、ちょっとアーヤ!?」
「ほっといて行こハナ! まだいっぱい案内するところあるし!」
綾斗に引きずられるようにして部屋を出る時、慌てて後ろを振り返る
茅斗も煉もただ苦笑いしてすぐ出てきたので、これはいつものことでそう深刻ではないのだと安心した
"部屋はまた後でゆっくり見ればいいし"
今この瞬間がとても楽しい
これなら一年間やっていける
そう思った

