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蜘蛛の巣
第11章 変わらぬ心、変わりゆく身体
後ろ手に手を振る煉を見送ってから、綾斗が壮真の腕を叩いた
「どうしたの?」
「えっとね……学校の課題で分からないところが」
「……旅行前に全部終わらせて分からないところあったら聞くって言ってたよね?」
「ぅ…ごめんなさい……」
壮真の凍った笑みに少し後ずさる茅斗
壮真は少しの間二人の顔を見つめ−−−
不意に顔を逸らした
「……?」
「ごめん、俺も遥のところに行かないと。また今度ね」
「えー、今度って、明日までなんだけど」
いつもなら怒るだけなのに、壮真はますます申し訳なさそうな顔をする
「ごめんね」
最後にもう一度謝ると、煉の向かった方へと消えて行った
「……ソーマ、何か変だったね」
「うん……。
じゃ、しょうがないからカズ教え……」
「めんどくさいからパース」
和樹にも見放され、二人は困ったように顔を見合わせた
「どうする?」
「ユーちゃんはどっか出掛けてるし、メーちゃんは何か機嫌悪いし……」